2023年11月20日(月)
お知らせ
お寺の掲示板 『不安に立つ』谷口愛沙―選 2023年11月
健やかな身体や充分な貯蓄は私たちを支える人生にとって欠かせないものです。
しかし、こうした支えは、環境や状況に応じて、変化します。
これらは、ずっと手の中にあると思っていたのに、
次の瞬間には、砂のように消えていってしまうようなものです。
だから、私たちの心配や不安には限りがないのです。
しかし、不安にこそ足を置いて、そこが立脚地となるのだと言ったのは
仏教学者であり、真宗大谷派の僧侶であった
安田理深(やすだ・りじん)(1900~82)です。
安田のいう「不安に立つ」とはどういうことでしょうか。
不安とは苦しく、できれば目を背けたいものです。
つまり、本来、私たちの努力ではどうすることもできないのがこの不安であり、
安田のいう「不安に立つ」のは、簡単なことでないということを私たちはすでに知っています。
安田は「不安は如来(仏)である」という大胆な言葉も遺しています。
私たちが不安に立つとき、それは同時に、
私たちは受け入れられない不安をいただくことができるときだといえます。
そうであれば、不安をいただくとは、
つまり仏の教えに出遭う(南無阿弥陀仏が聞こえてくる)ことだと、
安田は教えてくれているのではないでしょうか。
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