2025年10月29日(水)
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お寺の掲示板vol. 16『Success is getting what you want. Happiness is wanting what you get.』 2025年11月 藤井徳隆~選
“Success is getting what you want.
Happiness is wanting what you get.”
デール・カーネギー(米:作家・講演家)
「成功とは、自分の望むものを手に入れること。
幸せとは、今あるものに喜びを見出せること」(私訳)
原文のような気の利いた語呂は無くなりましたが、私はこのように訳してみました。
デール・カーネギー(1888-1955)はアメリカの自己啓発・人間関係の構築・話し方教育における草分け的存在です。
彼の著書『人を動かす』は、日本国内だけでも400万部以上の売り上げがあります。
彼のこの言葉は、成功や努力・自己実現を否定する言葉ではありません、
目標を設定して努力することは自身にとっても、社会にとっても有益なことです。
大切なことは、成功の先に必ずしも幸せがあるものではないと知ることです。
本来『成功』と『幸せ』は全くの別物だと理解することです。
私たちは常日頃何かを手に入れたいと願い、競合相手に負けずと努力を重ねています。
その根本的な動機は、他者と比べて自身が豊かで恵まれていることを自他共に認めさせたいことでしょう。
例えば、有名校に進学したい、待遇の良い企業へ就職したい、高級な車や家、時計アクセサリーを手に入れたい、
またはSNSのインプレッションを獲得して認知を得たい、といったように自分を何かで着飾ろうとします。
紛らわしいことに、その成功を重ねているうちは喜びを感じます。
上手くいっているうちはそれで良いかもしれません。
しかし、望むものが手に入らないと分かればそれが途端に苦しみに変化します。
自分で勝手に幸福を定義し、それがままならないとなると、苦しみが生まれてしまう。
このマッチポンプの状況に仏陀は、
『知足(足るを知る)』、と教えました。
カーネギーはアメリカのみならず世界中で作家・講演家として大成功した人物です。
また、仏陀は釈迦族の元皇太子で、地位・財産そのすべてを捨てて出家しました。
この二人は、私たちが望むものをおおよそ手に入れていました。
そんな彼らが残したこの言葉たちを、何でも欲しがり屋の私たちは教訓にすべきではないでしょうか。

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